SLAM 技術を用いたスキャニングで宿命的に発生するドリフトエラーはスキャニング時のループクロージャで軽減させることできます。更に誤差の少ないデータを得る方法としてコントロールポイントを 利用します。本記事では、Post Processing がにコントロールポイントを用いて、どのように誤差を低減させているかを説明します。仕組みを理解することで、コントロールポイントの配置ガイドラインの意味もより深くご理解いただけます。
誤差補正アルゴリズムの 3 ステップ
コの字型の通路で誤差補正をコントロールポイントを記録した例を使って説明します。実際の縦横の通路はそれぞれ直角であるとします。A1 ~ A7 は CP の ID です。
- スキャニング結果(左):特に A5 ~ A7 の間で の位置が徐々に真値であるコントロールポイントからずれ、ドリフトエラーが増大しています。
- Post Processing 結果 (右) : コントロールポイントを用いて誤差が補正されている
| スキャニング結果 | Post Processing 結果 |
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© NavVis GmbH |
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コントロールポイントによる誤差補正は、点群の歪みを補正しているわけではなく、移動ルートの歪みを補正していることに注意してください。Post Processing は誤差を最小化した移動ルートから点の位置を再計算することで正確な点群を出力することができます。
Post Processing が右の出力を得るために次の 3 ステージの処理を実行しています。
それぞれのステップを詳しく見てみましょう。簡単のため、Z方向については省略します。
Stage 1 : アライメント
アライメントは誤差補正のための準備です。そもそも、データセットとコントロールポイントの座標系(Csys : Coordinate System : 原点の位置と軸の向き)は全く異なります。各座標系を重ね合わせると下図のようになります。データセット座標系と CP 座標系で当然、原点は重なりますが軸方向は通常異なっています。
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データセット座標系 (SLAM Csys) | |
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| CP 座標系(Anchor Csys) | ||
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原点は現場近傍の任意の位置に設定します。X, Y 軸方向も右手系で測量者が設定します。 各コントロールポイントの座標はこの座標系を使って決定されます。 |
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アライメントステージでは各コントロールポイントの位置 に対し、全ての が最も近くなる位置までデータセットを回転・平行移動します。この段階では誤差補正は全く行われていません。 は残誤差を意味します。
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© NavVis GmbH アライメントステージが完了した状態 |
Stage 2 : 検証
検証ステージは行われる場合と行われない場合があります。一部のコントロールポイントだけを使って、誤差補正を行います。このときの残誤差量を確認することで、「そもそも、ドリフトエラーが酷かったのか? 軽微な誤差であったのか?」を確認しています。
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active: 誤差補正に使用 inactive : 誤差補正されていない
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Stage 3 : 最適化
最後に最適化ステージを実行します。すべての active なコントロールポイントを用いて移動ルートの誤差を補正します。各コントロールポイントにおいて、極力誤差が最小になるよう、VLX が記録したコントロールポイントの位置( )と実際のコントロールポイントの位置( )が極力重なるように正しい移動ルートを推定し、これを変形させます。
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誤差補正された移動ルートとレーザースキャナーの出力を使って、誤差の小さな点群を出力することができます。さらに、ループクロージャーによる誤差補正も加わることで、より高い精度のアウトプットを期待できます。
コントロールポイントがスキャニング範囲に対して少な過ぎる場合は、移動ルートの推定・誤差補正が難しくなり、結果として十分な誤差補正ができないことは容易に想像できると思います。コントロールポイントの運用上、絶対必要なのは「1データセットあたり 3 点以上必要」という条件ですが、広さや現場状況によって適切な位置に配置することが非常に重要です。ぜひガイドラインを参考に配置してください。
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