本記事では、NavVis IVION Processing で NavVis LX シリーズのスキャンデータを処理する際に設定可能なパラメーターについて説明します。
各パラメータは、処理タスクごとにひとつだけ設定可能です。異なるパラメータで処理が必要な場合は、別タスクを立ち上げてください。例えば、工場内はハイコンフィデンスで処理し、工場外周はアウトドアで処理したい場合は、「ハイコンフィデンス用の処理タスク」と「アウトドア用の処理タスク」に分けて処理を実行してください。
| パラメータ | 内容 |
処理時間 への影響 |
Unit消費 への影響 |
| a. 処理モード | 品質が下がるものの、Processing Unit の消費を抑えたデータ出力が可能な処理モード | 有 | 有 |
| b. 点群ピッチ | 点群の解像度。 5mm ~ 100mm |
有 | なし |
| c. 着色 | 点群に色を付けるか否か | 有 | なし |
|
d. NavVis VLX 設定 NavVis MLX 設定 |
点群生成に採用するレーザー距離の最大値 ・ハイコンフィデンス:10~15m ・スタンダード:30m ・アウトドア:50m |
少し有り | 少し有り |
| e. 人の顔のボカし処理 | パノラマ画像や点群に映り込んだヒト(歩行者など)の顔や体にモザイクをかけるか否か | 有 | 有 |
| f. ナンバープレートのボカし処理 | パノラマ画像や点群に映り込んだ車のナンバープレートにモザイクをかけるか否か | 有 | 有 |
| g. フロアフィリング | パノラマ画像の真下や、MLX の 270°モード後方を黒塗りではなく他のデータで補完するか否か | 有 | なし |
| h. パノラマ付きE57 | E57形式の点群データにパノラマ画像を加えるか否か | なし | なし |
| i. CPファイル | コントロールポイントの座標値を入力したファイル( csv 形式か txt形式) | 有 | なし |
| j. メールアドレス | タスク処理の完了通知を受け取るメールアドレス (5件まで) | なし | なし |
以下では、各パラメータの詳細について説明します。
a. 処理モード
Processing Unit の消費を抑えて処理するためのモードです。
「外観がなんとなく分かれば問題ないのでProcessing Unit の消費を抑えたい」「SLAMが成立しているか急ぎ確認したいが、Processing Unit の消費は必要最小限にしたい」というケースにおいて設定可能なプリセットです。
なお、Eco 20とEco 40は、NavVis VLX3 でスキャンしたデータに対してのみ設定可能です。NavVis VLX2 や NavVis MLX でスキャンしたデータでは選択いただけません。
| 動的(デフォルト) | Eco 20 | Eco 40 | |
| 点群密度 [mm] | 5 mm ~ 100 mmで選択 | 20 mm | 40 mm |
| 点群への色付け | あり | あり | なし |
| パノラマ品質 | 8,192 × 4,096 px | 8,192 × 4,096 px | パノラマなし |
| 処理時間 | ー | 動的モードの約1/2 | 動的モードの約1/4 |
| Unit消費量 / ㎡ | 25 | 15 | 10 |
| 結果のイメージ例 |
b. 点群ピッチ
出力する点群の解像度を設定します。
NavVis LX シリーズは、移動しながらスキャンしていく過程で、大量の点をセンシングしています。しかし、その中には、光の屈折によって適切にセンシングされなかった点や、距離が遠く正確にセンシングできなかった点など、品質の低下につながりうるデータも混在しています。
NavVis IVION Processing では、大量の点からボクセル(※1)単位で重心を取ることによって、尤も確からしい点をボクセルに1点割り当てて出力します。「点群ピッチ」のパラメータでは、このボクセルの大きさを設定します。5mm, 10mm, 15mm, ・・・, 100mmの数値を入力してください。 数値が小さいほど密な点群データに、数値が大きいほど疎な点群データが出力されます。
※1)ボクセル:画像(2次元)を構成するピクセル(画素)に対し、3次元空間を立方体で切り分けたもの
なお、本処理では、あくまで、センシングした点から重心をとるにすぎません。センシングされた点がひとつもないボクセル内に、点は生成されません。また、ボクセルの中心ではなく、ボクセルの重心に点が出力されます。そのため、出力後の点と点の間の距離が点群ピッチと同じになるわけではなく、点間によってバラつきが出ます。
c. 着色
点群に色を付けるかどうかを選択します。
NavVis LX シリーズの LiDAR 装置から照射されるレーザーは点情報(XYZの座標値、および反射強度)のみを取得します。色情報は、レーザーとは別で取得するカメラ画像をもとに、この Processing 処理によって各点に付与されます。
d. NavVis VLX 設定 / NavVis MLX 設定
点群生成に採用するレーザー距離の最大値を設定します。
NavVis VLX3 と NavVis MLX に搭載されている LiDAR装置からは、最大300mまでセンシング可能なレーザーが照射されます。しかし、レーザーは遠くでセンシングする情報ほど精度が下がるため、用途によっては近傍の点のみ採択してデータ品質を向上させたいときがあります。
NavVis では点群生成に採用するレーザーの最大照射距離を、Processing の段階で設定することができます。下表に記載の特長をご理解のうえ、「ハイコンフィデンス」「スタンダード」「アウトドア」から適切なモードを選択ください。
| ハイコンフィデンス | スタンダード | アウトドア | |
| 点群生成に採用するレーザー距離の最大値 | 10 ~ 15 m | 30 m | 50 m |
| 特徴 | 複数回センシングした場所や、計測経路から近傍の点しか採用しないため、精度の高い点を出力しやすい。 ビルの高所や天井面など、10 m以内に近づくことができない場所の点群が欠損する(穴になる)。 |
デフォルト。 点群精度と抜け漏れのバランスを取りたい場合に選択。 |
ビルの高所や天井面など遠くまでを点として出力できるため、屋外でのスキャンデータで選択することを推奨。 遠くからセンシングした点がノイズや精度低下に繫がり得る。 |
e. 人の顔のぼかし処理
個人情報保護を目的として、人物の顔や体にボカしを加えます。 パノラマ画像にボカし処理を行い、その画像データをもとに点群データに色を付けるため、パノラマ画像と点群データの両方にボカしが入ります。
※ ONにする場合の注意事項
- 処理タスクに含まれるすべてのデータセットのすべてのパノラマ画像がボカし処理の対象になる
- AI による自動でのボカし処理のため、抜け漏れや過剰検出あり
- 抜け漏れや過剰検出があっても、一部のパノラマ画像だけを修正することは不可
- IVION Processing の Unit が、パノラマ画像 1 枚あたり 100 PU 追加で消費される
詳細はコチラ
f. ナンバープレートの顔のぼかし処理
個人情報保護を目的として、車のナンバープレートにボカしを加えます。
「e. 人の顔のぼかし処理」とアルゴリズムや注意事項は同じです。
g. フロアフィリング
NavVis VLX の撮影ポイントの真下(=パノラマ画像の真下)や、NavVis MLX の 270°モード後方を、他のデータで補完するか否かを選択します。
■ NavVis VLX のフロアフィリング
撮影ポイントの真下は、撮影者がいるため画像データは取得されていません。その部分(フロア)をほかの地点で撮影した画像をもとに補間する(フィリングする)ことができます。
フロアフィリングを OFF にすると、マスキング処理により真っ黒に塗りつぶします。
■ NavVis MLX のフロアフィリング
撮影ポイントの真下や、270°モード後方の画像を点群データから生成して補間します。
フロアフィリングを OFF にすると、マスキング処理により真っ黒に塗りつぶします。
h. パノラマ付きE57
NavVis IVION Processing からダウンロードする点群データ(E57形式)にパノラマ画像を含めるかどうかを選択します。パノラマ画像(JPEG)はもちろん、データセット内でのパノラマ画像の位置・方位情報も含まれます。 ただし、本機能を使って取得できるパノラマ付きE57点群は、アライメント(データセット間の位置合わせ)適用前のデータです。アライメント後のパノラマ付きE57点群が必要な場合は、本パラメーターは OFF のままとし、NavVis IVIONの「点群を切り取ってダウンロード」機能をご利用ください。
本パラーメータをON にするケースとして、例えば以下が挙げられます。
- CPあり(位置合わせの必要がない)データセットを他のソフトウェアに取り込んで、パノラマ画像ありで活用したい場合
なお、他のソフトウェアの仕様によっては、点群を取り込めたとしても、パノラマ画像が取り込めない場合がございます。各ソフトウェアの販売店様にお問合せください。
i. コントロールポイント用のファイル
コントロールポイント(CP)を利用してスキャンしたデータを処理する際には、CP の ID と座標値を記録したCPファイル(csv 形式 or txt 形式)が必要です。
詳細はコチラ。
j. メールアドレス
処理タスクが終了したときに通知を受け取るメールアドレスを最大5つまで設定することができます。
図:通知メールの例
以上
記事作成:松山
公開日:2026年3月25日
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